---稲沢さんの考えられる「いい建物とは?」
稲沢さん:気持ちの入った「心のこもった建物」というのは、もちろんいい建物だとは思いますけど。
あとはこう、、僕のセンスだったり・・・。
うーん・・いい建物かぁ・・・あんまりそういうの考えたことなかったんですけど、、。(笑)
僕としては僕の設計している家っていうのは、それぞれ建主さんのカラーのちゃんと出ている建物だと思っているんですけど、まわりの設計仲間からすると「全部稲沢カラーな家だね」なんて言われるんですよ。
僕は全部違う家を造っているつもりなんですけどね。
それってもしかしたら、何とも分かりやすいところで僕のカラーがにじみ出ちゃってるというか、、、僕のエキスの注入された家っていうのかな(笑)
住む人イヤかなぁ?(笑)
僕の中ではそういう自然と僕らしさの含まれた家っていうのがいい建築、、、なのかな?
---設計をされるうえでの「コンセプト」や「こだわり」とは?
稲沢さん:分かりやすいので言うと、「新建材」のようなものは極力使わないようにしていますね。
---新建材?
稲沢さん:いわゆる「貼り物」っていうやつですね。
木でもコンクリートにしても、「素材」そのものっていうのを素直に出していきたいので、「○○風」とか、そういうのは出来るだけ排除していますね。
北村:材料にも本物を求めているっていうことですね。
実際木板一つにしても「規格品」を使うのではなく、全部製材して大工が鉋をかけて一つ一つ仕上げていくっていうような材料を求められますね。
稲沢さん:でもそういう物のほうが時間と共に味が出るんですよ。
新建材っていうのはどうしても「味」っていうのは出ないんですよね。
お客さんが何十年と住んでいく中で、何も変化のしない家で自分ばっかり年をとっちゃうっていうのもなんかつまらないですよね。
やっぱり自分達と共に家も年をとっていって、同じようにくたびれていく。
その一緒に時を過ごした、っていうのを感じられる素材っていうのはやっぱり「本物」しかないかなぁと思うんです。
それは最低限やろうとしていることですね!